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Windows XP 実機から仮想イメージを作り Windows 10 上で動かす方法を考える

Windows XP 実機をお使いの方はごくわずかだと思います。もうハードウェアに限界がきていると思いますので、何らかの移行方法を想定します。Windows 10 または Windows 11 へ置き換えができればそれが良いのですが、出来ない例があることと思います。

ここでは「Windows XP 実機から仮想イメージを作り、それを Windows 10 上で動かす」事を模索します。

注意)Windows XP はサポートが終了している OS ですので、取扱いにはくれぐれもご注意ください
注意)この記事は、「Windows XP を新規インストールする仮想マシン (VM) を作って、Windows 10 上で動かす」記事ではありません
注意)この記事で書かれていることは、全ての機器・環境での動作を保証しているものではありませんので、ご承知おきください

移行方法を考える

Windows 10, 11 で通常通り動かせるか調査

Windows 10 または Windows 11 に、互換性のあるソフトウェアや接続方法があるか、調べます。調べた結果、「互換性のあるソフトウェアや接続方法がある」場合は、Windows 10 または Windows 11 PC を購入して置き換えましょう。実はこれが最も確実です。

現在の使い方から考える

Windows XP をどう使っているかに応じて、移行方法を考えましょう。現在の使われ方は、大別するとこの辺りのどれかだと思います。その場合の移行方法を、付記してみます。

  1. 専用的な目的(或る特定の機器との接続・通信にだけ)で Windows XP 実機が必要
    1. 接続・通信に、イーサネット(有線LAN)を使う
      Disk2vhd を使って仮想イメージを作り、Hyper-V で実行する
    2. 接続・通信に、COMポート(RS-232C D-Sub9ピンのポート)を使う
      Disk2vhdStarWind V2V Converter を使って仮想イメージを作り、VMware Workstation Player(無償版・個人)/ Pro(商用利用版・法人)で実行する
  2. 汎用的な目的(メール、Webブラウザ、Office などを使う)で、Windows XP 実機が必要
    → Windows 10 または Windows 11 に環境を移行する(仮想イメージ不要)

用意するものを考える

次に、用意するものを考えます。

  • 1.1. の場合
    • イーサネット(有線LAN)ポートがある PC を用意します
    • 薄型のノートパソコンだと、最近ではイーサネットポートはありませんので、ご注意ください。
  • 1.2. の場合
    • COMポート(RS-232C D-Sub9ピンのポート)の有る PC を用意します
    • 最近ではこれらの物理ポートが無い PC が多いので、ご注意ください
    • USB RS-232C 変換ケーブルを接続に使う場合、COMポート割り当て番号を適切に設定する必要があります
      • 通常、USB で COM ポート変換ケーブルを差すと、最初に割り当てられるのは COM3 からです
  • 2. の場合
    • Windows 10 または Windows 11 の PC を用意します
    • OS が違うのでソフトウェアはほとんど移行できないですが、メールのデータや Web ブラウザのブックマークなどは、移行ができます。詳細のやり方はここでは書きませんが、手軽にやりたい方は、EaseUS Todo PCTrans Pro のようなデータ移行ソフトを使うとよいと思います。
    • 本記事では、以降この件は扱っておりませんので、ご注意ください

移行作業のステップ

見通しが立ったところで、実際に「Windows XP 実機から仮想イメージを作り、それを Windows 10 上で動かす」移行作業を行います。移行作業の大まかなステップは、以下の通りです。

  • 移行前の準備
    • Windowx XP の仮想マシン (VM) を作成する予定の Windows 10 PCの、インターネット接続にはくれぐれも注意してください
      • Windows XP はサポートが終了しているOS ですので、ネットワーク接続することは危険です
      • 通信する機器とのみ接続・通信する環境で、使うようにしましょう
      • 仮想マシン (VM) と Windows 10 物理マシンとの間のネットワーク接続共有を絶ってしまえばよいのですが、それを設定するまでは安易に接続しないようにしましょう
  • Windows XP の実機ドライブから、仮想イメージ WinXP を作る
    • Disk2vhd – Windows Sysinternals
      • Windows Virtual PC または Windows Hyper-V 仮想マシン(VM)で使用するために、実機の物理ドライブから、VHD(仮想ハードディスク)ファイルを作成します
      • 上記 1.1. の場合は、このソフトでの仮想イメージ作成のみで解決すると思います
      • 上記 1.2. の場合は、追加作業が必要となります(Hyper-V では、物理ポートとしてのCOMポートとパラレルポートを、VM 上で使えないからです)
    • StarWind V2V Converter
      • 仮想イメージの作成・変換ソフトで、実機の物理ドライブから仮想ハードディスクファイルを作成できるほか、さまざまなフォーマット間(VHD, VMDKなど)の変換が可能です
      • 上記 1.2. の場合、VHD を VMDK に変換する際に使います
        ※ソフトウェアの説明を読む限りでは、このソフト一つで解決できる[物理ドライブ→VMDK]と思いますが、試したことがありません
  • Windows 10 環境で動作する仮想化ソフトウェアを使って、仮想マシン (VM) WinXP を作成する
    • Hyper-V – Microsoft
      • Microsoft の仮想化ソフトウェアで、Windows 上の仮想マシンとして複数のオペレーティング システムを実行することができます
      • VHD ファイルをもとにして、仮想マシン (VM) を作成できます
      • 64 ビット版の Windows 10 Pro、Enterprise、および Education で使用できます(Home Edition では使用できません
      • Hyper -V の中では仮想マシンに仮想 COM ポートを扱えますが、これを物理ポート(PCに物理的に存在する COM ポート)と結びつけた動作はできません
    • VMware Workstation Player(無償版・個人)/ Pro(商用利用版・法人)
      • Hyper-V と同様の、仮想化ソフトウェアです
      • VMDK ファイルをもとにして、仮想マシン (VM) を作成できます
      • 仮想マシンに仮想 COM ポートを扱えるため、物理ポート(PCに物理的に存在する COM ポート)と結びつけた動作ができます
      • VMware の仮想 COM ポートの COM1 は既定ではプリンタが設定されていますので、一度この設定を削除して、仮想 COMポート COM1 を 物理 COM ポートの COM1 や COM 3 などと割り当て直してください(番号割り当てのズレにより、ソフトウェアが動かないケースがあります)
  • 仮想マシン (VM) WinXP のライセンス認証
    仮想マシン (VM) の Windows XP は、ライセンス認証がされていない状態になるので、ライセンス認証を行う必要があります。
    ライセンス認証には、「インターネットによる認証」と「電話による認証」の 2種類があります。しかし、移行準備で書いた通り、インターネットへの接続は危険なので、電話による認証を行います。
    • 「Windows のライセンス認証の手続きを行いましょう」ウィンドウから、「はい、ライセンス認証専用窓口に電話をして、ライセンスの認証手続きを行います」を選択して、進めてください(電話は自動音声です)
    • 電話番号は画面に表示されますし、マイクロソフト ライセンス認証専用窓口の電話番号にも記載があります(0120-801-734)
    • 電話で、画面に表示されるインストール ID を伝えます(電話機のボタンを押す)
    • ライセンス認証窓口(電話)で伝えられる確認 ID を入力する
      ※そこそこ早口なので聞き逃すことが多く、その場合初めから聞き直しになりますから、「手元の紙に書いてから、後で入力する」ことをお勧めします

画像が無くて恐縮です

今回の説明では画像が全くなくて、分かりにくくなってしまっていて、申し訳なく感じています。理由は、Windows XP を実機で手元に持っていないためです。今度、手元に用意できたら画像を追加したいと思います。

余談