技術情報

表計算ソフトで行と列を正しく理解するポイント

行と列の違い

Microsoft Excel や Google スプレッドシートなどの表計算ソフトは、仕事をしていく上で、とても便利なものです。ただ、行と列を勘違いしやすいところがあります。今回は、表計算ソフトで行と列を間違えないためのポイントについて、説明します。

縦と横の関係を、現実の世界から見てみる

先程、フリー素材写真を扱っているWebサービス「写真AC」に行き、下のような写真をダウンロードしてきました。これは、「明るい水色の織物」の写真です。

こういう写真もフリー画像で存在することを、初めて知りました。

この織物は、縦方向の糸と横方向の糸とが織り込まれて、織物になりました。織物の世界では、縦方向の糸のことを「経糸(たていと)」横方向の糸のことを「緯糸(よこいと)」と言います。

このことから、物事の込み入った事情・いきさつのことを「経緯」と言います。また、中学校社会科の地理で学んだ「緯線・経線」も、これと同じ考え方に基づいて、その名称で呼ばれています。

この時の横方向のことを「行」、縦方向のことを「列」と言います。

横方向が「行」、縦方向が「列」。

行と列の方向に矢印を書き入れました

上図のExcel ワークシートをご覧ください。横方向が「行」、縦方向が「列」となっています。よく説明に用いられるのが、「行」「列」それぞれの漢字の形から、その方向を示す方法です。今回、それにならって、漢字に色を塗ってみました。

Excel は海外発祥のアプリケーションなので、行のことを Row(ロウ)、列のことを Column(カラム)と呼んでいます。

Row には「行・横並び・横列」という意味があります。このことから、英語の表現で ~ in a row と書くと、「横に連なって並んでいる→連続している」という意味で使われます。

Column には、「円柱」という意味があります。円柱だけでなく、円筒形状のもの全般を示します。今の時期(2020年12月)で、柱というと、マンガ「鬼滅の刃」に出てくる 9人の剣士が思い浮かびます。ただ、彼らは英語圏では ” 9 Pillars ” と書かれていて、Column とは表現されていません。

( Pillar には、「柱」という意味のほかに、「根幹/支えとなるもの/動かしがたい存在」という意味があり、日本語のニュアンスでいうと「大黒柱」を示しているためだと思います)

関連付けて、物事を見てみましょう

このように、「それぞれの分野での呼び方に少し差はあっても、示している本質が一緒」というのは、他にもたくさんあります。

コンピューターの世界で使われている用語の多くには、そう名付けられることになった経緯や、現実世界で使われている名称との関連性があります。そういったものに目を向けてもらえると、分かりやすくなるかもしれません。