技術情報

第1回「茅野IoT・AI研究会2020」に参加しました

Node-RED操作画面

2週間程前の 2020/11/12(木) に、茅野・産業振興プラザ主催の第1回「茅野IoT・AI研究会2020」に参加しました。この研究会は、全3回開催予定とのことで、今回はその初回でした。

本当に便利になるのか自前で試すIoT技術

公立諏訪東京理科大学 教授・市川純章先生による講演で、そのタイトルは「IoT・クラウドサービスの活用セミナー ~ 運用コスト ” 0円 ” 超格安 最新デバイス情報」。前半が IoT 技術の基本に関する説明、後半が Node-RED を用いた簡単な IoT アプリ開発実習でした。

前半の冒頭に市川先生が仰っていたのが、見出しに書いた言葉です。「自前で小さく始めて、『自社が便利になるもの』を作って、そのメリットが明確になったら投資する」流れを持とうと仰っていました。なぜなら、そこには技術とニーズの深い溝があるからだとのことです。

やってほしいことを 情報システム開発会社に提供をお願いしても、実際の現場にいる人との間に認識のずれ(溝)がある。だから、現場にいる人間が技術を持てば、情報システム開発会社との認識のずれが解消され、適正な価格の折衝ができるというのです。(確かにそういうところはあるなあと感じました)

ソフトウェア開発は以前より手軽になり、デバイスの値段が下がっているから、自前で始めるハードルは随分低くなっています。自前で始めて得た運用ノウハウは、商売になる可能性が有るので、ぜひ皆さん始めてみましょうという、何とも魅力的な話でした。

いざ、実習。

実習で使用したのは、シングルボードコンピューターの「Raspberry Pi」、アプリケーション開発ツールの「Node-RED」、そして画像認識用途のWebカメラです。

Raspberry Pi は、当初は教育向けの小型のパソコン用途として登場しましたが、市川先生によると 現在では 50%以上が工業用途で使われているとのこと。教育用で慣れ親しんで浸透したものを、大人になっても利用する循環が出来ているのかなと感じました。公式ページでは、最近発表されたキーボード一体型の紹介されています。

Teach, Learn, and Make with Raspberry Pi – Raspberry Pi

The Raspberry Pi is a tiny and affordable computer that you can use to learn programming through fun, practical projects. Join the global Raspberry Pi community.

Node-RED は、IoT アプリケーション開発ツールです。サーバー側でプログラミング言語 JavaScript を実行する環境「Node.js」上であれば、どこでも動くとのことでした。Node.js というと Webサイト制作の仕事で Gulp を使っていますが、Node-RED は初めてで、直感的な操作が新鮮でした。

Node-RED

Node-RED provides a browser-based flow editor that makes it easy to wire together flows using the wide range of nodes in the palette. Flows can be then deployed to the runtime in a single-click. JavaScript functions can be created within the editor using a rich text editor.

Node-RED は Webブラウザ上で動かします。やりたい操作に合わせて部品(ノード)を置いて、それを接続してあげるだけで、それなりの動作をします。

試しにつないだので、タイムスタンプがそのままデバッグで出るだけです…

細かく条件や機能(ファンクション)を設定してあげると、イベント駆動側のアプリケーションが簡単に開発できます。これはすごい!

当日は、以下の内容を実施しました。

  • Raspberry Pi にWebカメラを接続
  • Webカメラで撮影した画像を、画像認識処理サービス Google Cloud Vision に送る
  • Google Cloud Vision から文字認識処理の実行結果を、ブラウザ上に表示

Vision AI | ML で画像から情報を引き出す | Cloud Vision API | Google Cloud

製造検査 AutoML Vision Edge を利用してエッジデバイスで不具合を特定できるようにすることで、製造の品質管理プロセスを自動化できます。 登録 して Google の製造検査ソリューションの詳細をご覧ください。 Vision Product Search Vision API を使用して、画像内の商品を検出し、商品カタログを視覚的に検索できます。 ドキュメントの分類 ドキュメントの分類、抽出、拡充に Vision API と Natural Language API を使用することで、効率的に情報にアクセスできるようになります。 詳細については、 Document AI をご覧ください。 画像検索 Vision API と AutoML Vision を使用して、幅広いトピックやシーン(カスタム カテゴリなど)で画像を検索できるようにします。 ソリューションの詳細をご覧ください 。

試しに自分の名前を書いてみましたが、かなり高い精度で認識してくれて感動。「これがうまく使えたら、自治会の記名式役員投票の開票がもっと楽になるかなあ」と、仕事と直接関係の無いことを考えていました(電子投票できるともっと楽になるのかもしれません)。

引き続き、この方面のことを学んでいきたいと強く感じました。